ということで、
ワタクシ過去にMIYOTA8215を積んだ自作腕時計のムーブメントをNH35に変えようとして失敗したことがあります。どうしてもケースの寸法がどっちのムーブメントにも合わなかったんです。失敗した動画をお見せするわけにはまいりませんが、自作腕時計に使われる代表的なムーブメント、TMIのNH35とMITOTAの8215を比較してみます。
NH35
SEIKO MODなどに使われるTMIの代表的なムーブメント、スペックは下記の通り。
サイズ:直径29.4ミリ 厚さ5.32ミリ
日差 :-20~+40秒
振動数:21,600
石数 :24石
パワーリザーブ:41時間
耐磁性能:4,800A/m以上
機能 :3針、手巻き、自動巻き(両方向)、秒針停止、日付表示
ちなみに『機能』以外のスペックはNH34も36も38も全部同じです。
MIYOTA8215
密かにあちこちの自動巻き腕時計で使われているMIYOTA8215。
ワタクシが初めて針の交換したELGINの腕時計にも使われていた記憶があります。
スペックは下記の通り。
サイズ:直径25.8ミリ 厚さ5.67ミリ
日差 :-20~+40秒
振動数:21,600
石数 :21石
パワーリザーブ:42時間
機能 :3針、手巻き、自動巻き(片方向)、日付表示
MIYOTA8215のデイ・デイトタイプである、8205というムーブメントもあります。
NH35とMIYOTA8215の違い
NH35とMIYOTA8215の違いとしてまず挙げられるのがMIYOTA8215には秒針停止機能がなく、自動巻きが片方向巻き上げと機能面でNH35に対して劣っている点です。石数も21石なのでNH35の前のモデルである7S26とほぼ同等という感じです。NH35は時刻合わせの時に秒針を停止することができ、ローターがどっちに回ってもゼンマイが巻き上げられますが、MIYOTA8215は時刻合わせの時に秒針を止めることができず、ローターが一方向に回ったときのみ巻き上げられます。
個人的な印象の話で申し訳ないのですがMIYOTA8215は巻き上げられない方向にぐるぐる空回りしてあまりゼンマイが巻き上げられない感じがしました。ロングセラームーブメントなので使用上は問題はないんだろうとは思います。
ワタクシは両方のムーブメントで自作腕時計を作ったことがありますけど、NH35が最初から付いている樹脂製のスペーサーに干支足を差し込むだけで文字盤をムーブメントに固定できるのに対し、MIYOTA8215は干支足を小さいネジで留めなきゃならないとか、ムーブメントと文字盤の間にムーブメント全周を囲うようなスペーサーを入れなきゃならなかったり、ケースによってはスペーサーやクランプが必要だったりと、あまりいい思い出がありません。
どうでもいい余談ですがMIYOTA8215には”8215Gilt”という品番のゴールデンカラーのムーブメントが存在します。
まとめ
NH35に対して性能面で劣るMIYOTA8215ですが、MIYOTAのHPを見ると後継の9215という品番のムーブメントなどが発売されていて、TMIのNH34に該当する9075というGMTムーブメントも発売されています。でもどういうわけかアリエクで販売しているのは見かけません。入手するのは厳しいようです。さらにMIYOTAには問題がありまして、ebayで一時期クローンが出回っていたことがありました。
クローンといってもどういうわけか秒針停止機能がついてる本物よりもハイスペックなものでした。
腕時計を自作することに慣れてきた今振り返って考えると、あれって中国のメーカーのシーガルのムーブメントだったんでしょうね。当時1,500円とかで購入できました。
そういう点からも自作腕時計を作る上で最適なムーブメントはMIYOTA8215よりもTMIのNH35の方が適していると思います。
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