ということで、
今回はワタクシがSEIKO MODなどの自作腕時計の組み立て動画の中で使用している工具を説明していきます。
自作腕時計の定義
毎度のことですがここではスイスの時計職人のようにひとつひとつの部品を作って腕時計を組み立てるということではなく、ケース、文字盤、針、ムーブメント、バンドをネット等で入手して、それらを自分で組み立てて作った時計を”自作腕時計”と定義します。
指サックorゴム手袋
文字盤や針を素手で触ると手の油脂が付着します。付着した油脂を拭き取ろうとすると文字盤に傷を付けてしまったり、塗装が落ちたりとロクなことになりません。最初からそういった汚れを付けないように指サックを付けて作業します。ワタクシの場合は指サックが性に合わないので薄手のゴム手袋を愛用しています。
ムーブメントホルダー
文字盤や針をムーブメントに取り付ける際にムーブメントを固定しておくためのホルダーです。ムーブメントの種類によって使い分けをします。なくてもなんとかなりますがあったほうが安心して作業できます。
ロディコ
ワタクシは針をロディコで保持して剣押さえで針を取り付けています。その他、ケースや文字盤、針についたホコリや汚れを除去するために使用します。
ルーペ
目がいい人には不要かもしれません。ワタクシのようなおっさんはどういうわけか近くがぼやけて見えないのでメガネタイプをルーペを使って秒針の取り付けをしています。
剣押さえ(針押さえ)
定位置に置いた針を上から押して針を取り付ける工具です。中華の安物が多く出回っていますが、ワタクシの場合はどういうわけかアマゾンでの取り扱いのない、明工舎の剣押さえ(品番:MKS21200)を楽天で購入して愛用しています。
ピンセット
ワタクシは剣押さえで秒針を取り付けようとして針を曲げてしまった経験があるので秒針の取り付けにピンセットを使っています。針を曲げてしまうこともないし、水平に取り付けられるのでおすすめかも? ムーブメントから巻き芯を抜くときにオシドリを押すのにもピンセットを使っています。
作業台(機械台)
ワタクシは適当にホームセンターで購入した円形のゴムを使っています。今まで問題が出たことはありませんが、先日アリエクスプレスでゲルクッションタイプのものを購入したので次回から使用予定です。YouTubeではSEIKO純正の機械台を使用している方もいらっしゃいます。アマゾンで1,600円程度で売られているのでこちらもおすすめです。
ブロアー
ケースや文字盤についたホコリを飛ばすために使います。ワタクシはカメラのレンズ清掃用のものを使用しています。スプレータイプのエアダスターは強すぎて針が吹っ飛びそうなのでやめた方がいいかも?
レンズペン
本来はカメラレンズの表面に付着した汚れを拭き取るために使うものですが、ワタクシはケース内側の風防ガラスの清掃に使用しています。腕時計工具で有名なベルジョンでも同様の製品が販売されているのであながち間違ってはいないかも?
デジタルノギス
巻き芯の長さ調整に使用します。もちろんデジタルではない普通のノギスでも問題はありませんが、ノギスって読み方が独特なので一目で測定結果がわかるデジタルノギスのほうが便利です。それほど精度は必要ありません。
ニッパー
巻き芯のカットに使用します。ワタクシはかのLume Shotさんの真似をしてエンドニッパーを使用しています。巻き芯を切ることさえできればいいので100円ショップで売られている普通のニッパーでも問題はありません。
ダイヤモンドヤスリ
ニッパーでカットした巻き芯は端末にバリなどがついていて、ヤスリで整えてあげないとそのままではリューズを取り付けることが出来ません。ワタクシはダイヤモンドヤスリを愛用しています。
ネジロック剤
巻き芯からリューズが外れないようにするための接着剤です。”嫌気性接着剤”といわれる、空気を遮断することで硬化するタイプのネジロック剤を使用しています。
裏蓋開閉器
白状しますがワタクシはあまりまともに裏蓋は閉めません。ゴム手袋をした手でグッとやって終わりです(笑) なので3点式のオープナーがあれば十分だと思います。
腕時計用バイス
腕時計の裏蓋を開ける際に使用します。なくても開けられないことはありませんが、たまに出くわす親の仇のように硬く閉まった裏蓋を開けるには絶対にバイスが必要です。バイスを使わずに開けようとするとケガしかねないので安物でもいいのでがっちりとしたものをひとつ用意しましょう。
その他の工具
ドライバー
精密ドライバーのセットで構いません。MIYOTAのムーブメントは文字盤の取り付けにマイナスドライバーが必要ですし、ROLEX系のMODのメタルバンドのサイズ調整にもマイナスドライバー必須です。G-SHOCKをいじるときにもプラスドライバーが必要になります。
剣抜き(針抜き)
剣押さえの反対で針を取り外すときに使用する工具です、2種類あるので使いやすい方を選べばいいと思います。
針パッド
針を取り外すときに文字盤敷く樹脂のプレートです。ビニールシートを被せて針を外せばこんな高いもの必要ありません。
バネ棒外し
腕時計のケースからバンドを取り外すための工具です。こちらも明工舎のものがおすすめです。
コジアケ
自作腕時計ではめ込み式の裏蓋は見たことがありませんが、販売されている時計には意外とはめ込み式のものが多いです。余談ですがiPhoneなどの分解にも使えるのでひとつあると重宝します。
プラスチック製ピンセット
腕時計の電池を交換する際に使用します。樹脂製のものでも竹製でもセラミック製でも通電さえしなければ何でも構いません。
まとめ
工具はアマゾンやアリエクスプレスなどで購入できますが、安い工具を使い捨て感覚で使用するよりも信頼できる工具を長く使う方が最終的にコスパがいいです。参考までに日本の時計工具のメーカーですと明工舎が有名です。特に四ツ割、バネ棒外し、剣押さえは明工舎の製品が絶対におすすめです。
最後に毎度おなじみの手前みそですが、以前撮影・公開した動画を紹介させていただきます。
コメント