自作腕時計~針の取り付け~

分針の取り付け 自作腕時計
分針の取り付け


ということで、
今回は腕時計組み立て作業の最難関、針の取り付け作業についてワタクシなりに解説します。

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自作腕時計の定義

毎回おなじみですがここではスイスの時計職人のようにひとつひとつの部品を作って腕時計を組み立てるということではなく、ケース、文字盤、針、ムーブメント、バンドをネット等で入手して、それらを組み立てて作った時計を”自作腕時計”と定義します。

必要な工具

針の取り付けには下記の工具が必要になります。

  • ムーブメントホルダー
  • 剣押さえ(針押さえ)
  • ピンセット
  • ロディコ
  • ルーペ

取り付ける順番

取り付けの順番は時針(短針)→分針(長針)→秒針の順番です。

スモールセコンドといわれる下の写真のように秒針が独立しているムーブメントの場合は必ずしも上記順番で取り付ける必要はありません。

スモールセコンド
スモールセコンド

事前準備

カレンダーがあるムーブメントは日付が切り替わる午前0時に合わせた状態で針を取り付けます。これをしないとおかしな時間にカレンダーが切り替わることになります。針がついてない状態でムーブメントのリューズを時刻調整ができるところまで引いて、リューズを回してカレンダーが切り替わったところで止めます。この位置が午前0時00分になります。

カレンダー切り替わり
カレンダー切り替わり

時針(短針)の取り付け

ワタクシの場合は針をロディコにつけ、そのまま定位置まで持っていって針押さえで針を取り付けます。普通の人はピンセットで針とそ~っと置いて剣押さえで針を取り付けるみたいですが、ワタクシは変態なのでご了承ください。
具体的には針の先端が12時のインデックスに対して真っ直ぐになるように保持し、針の穴がムーブメントのポストに合ったら剣押さえで上から押さえます。それほど力は必要ありません。
針がついたら横から見て水平になるように剣押さえを使って調整します。サイズがきちんと合っている剣押さえを使っていれば簡単に水平にできるはずです。
取り付け後、リューズで針を回してインデックスに接触しないか、カレンダーが0時付近で切り替わるかを確認してください。

時針の取り付け
時針の取り付け

分針(長針)の取り付け

分針を取り付ける準備として、時針をどこかのインデックスにピッタリ合わせてください。何時でも構いませんが12時か6時がわかりやすくておすすめです。
分針も時針と同じく0時のインデックスに合わせて取り付けます。00分の位置ということです。
取り付け方法は時針と全く同じですが、分針の場合は少しのズレも許されません。インデックスにぴたりと合うように慎重に作業を行いましょう。
取付完了後、水平になっていること、時針と平行になっていること、リューズを回して針が取れたり時針やインデックスに接触しないことを確認して、問題がなければ秒針の取り付けに進みます。

分針の取り付け
分針の取り付け

秒針の取り付け

秒針は時針や分針と違ってどこかのインデックスに合わせたり、時針や分針との位置関係を気にすることはありません。取り付けやすい位置に取り付けて構いません。
秒針は今までの2本と違い、ムーブメントにある針の先端のようなところを秒針の裏面にあるパイプに刺して取り付けます。恐らくルーペを使わないと見えないと思います。
ワタクシはおっさん化が絶賛進行中のため毎回苦労しています。そんなおっさんなりのコツを披露しますと、ロディコで保持した針をムーブメント中央の取り付け位置に持っていき、『ここだ!』というところでピンセットの平らな部分で押さえて付けています。変態じゃない普通の人は剣押さえを使って作業するようです。

秒針の取り付け
秒針の取り付け

確認

3本の針の取り付けが終わったら下記の項目を確認しましょう。

  • きちんと取り付けができていて外れたりしないこと
  • 0時0分に時刻を合わせたときに時針と分針がぴたりと重なること
  • 3本の針が水平になっていること
  • 針と針、針とインデックスが接触しないこと
針の取り付け状態の確認
針の取り付け状態の確認

清掃

確認ができたらロディコなどを使って針についた汚れ、ホコリ等を除去します。

針のクリーニング
針のクリーニング

まとめ

今回は針の取り付け方法について説明をしてきました。自作腕時計を組み立てる中で一番難易度が高いのが針の取り付けです。作業自体が難しく、繊細さと正確さが求められる作業ですが、針が正確についていないと非常に残念な時計に仕上がります。ここさえ乗り切ってしまえば自作腕時計の組み立ての半分は終わったも同然です。めげずに頑張りましょう。

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