ということで、
今回はいよいよ自分が作ろうとしている腕時計の最終形が見えてくるケーシング作業について説明します。
自作腕時計の定義
毎回言い訳してますが、ここではスイスの時計職人のようにひとつひとつの部品を作って腕時計を組み立てるということではなく、ケース、文字盤、針、ムーブメント、バンドをネット等で入手して、それらを組み立てて作った時計を”自作腕時計”と定義します。
ケーシングとは
ここでは針を取り付けて完成状態のムーブメントをケースに収めて固定まですることを”ケーシング”とします。日本語ではなんていうんでしょう?
ムーブメントやケースの種類によって、ケースにムーブメントを入れるだけで固定されるものもあれば、クランプというパーツとネジを使ってケースに固定するもの、最近のクォーツウォッチのように樹脂のスペーサーで固定するものなどがあります。

必要な工具
ケーシングの際にワタクシが使用している工具は下記のものとなります。
- レンズペン 風防ガラスの内側を清掃するために使用しています
- ロディコ ケース内部の汚れの除去に使います
- ブロア ケース内のホコリを飛ばすのに使います
- ピンセット クランプの固定やムーブメントのオシドリを押すために使います
- ドライバー クランプの固定に使います
- 機械台 ムーブメントをケースに収めるときに使います。
ケースとムーブメントの清掃
時計が完成したときに外から見てゴミや汚れが見えないことと、ムーブメントにホコリが付着することがないようにケースの内側を徹底的に掃除します。
ワタクシの場合はレンズペンで風防の内側を磨き、ブロアでホコリを飛ばし、ゴミや汚れがないことを確認して、もし汚れがあればロディコで除去します。
ケースの清掃が終わったら、ムーブメント側の文字盤、針を掃除します。ブロアでホコリを飛ばし、飛ばしきれなかったゴミや汚れをロディコで拭き取ります。完成後の時計の見栄えに影響するので見落としがないようにしましょう。

ケーシング
清掃が終わったら時間を置かずにケーシング作業に入ります。放置するとその間にホコリがついてしまって清掃からやり直しなんてことになりかねません。
リューズ&巻き芯を抜いたムーブメントを置くための機械台を用意します。ムーブメントのオシドリを押して巻き芯を抜き、用意した機械台に置きます。
機械台に置いたムーブメントに被せるようにケースを置き、機械台ごとケースを持ち上げてひっくり返せばムーブメントがケースに入るはずです。
後はリューズパイプから巻き芯を刺し、巻き芯がリューズパイプの中央に来るように調整します。
ムーブメントにNH35を使用している場合はこれでケーシング作業完了ですが、クランプを使う場合はピンセットでクランプを定位置に置いて、ネジでクランプをムーブメントに固定します。

まとめ
ケーシングにクランプを固定しないNH35ってやっぱり作りやすいムーブメントなんですね(笑) ETA2824-2なんかはめちゃめちゃ小さいクランプをネジを留めなきゃいけないのでハマると地獄を見ます。クランプとネジってムーブメントにもケースにも付属してないから別に容易しなきゃならないし、大抵はセット物を購入してその中からサイズの合うものを探して・・・となるので非常に手間がかかります。固定できたときは何かちょっと嬉しいですけどね。

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